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朝つゆが揺れる葉の陰、日が落ちる瞬間、誰もいない公園、夕立、崩れる空、白い息だけが起きている真夜中、雨の音、紺から淡い水色になっていくカーテン越し、一定のリズムを取る水道水、遠くから聞こえる始発、踏切、ゆるむ視界、手の平の上バッテリー100%の表示でぼんやりと光る小窓、断片的な君との会話、そういう誰もが見逃してしまうようなやわらかい日常を見逃さずにいたいし自分もそれに溶け込んでいたい、誰かの手が届かない場所にいたい、ややこしくて難しい話じゃなくて、下手とか上手とかじゃなくて、効率的かどうかじゃなくて、正しいか正しくないかじゃなくて、世間じゃなくて、年齢じゃなくて、もっともっともっと向こう側を真っ直ぐ見据えていたい、ずっと向こうを見ていたい、これからも、きっと