白昼夢

感情が腐乱していく、ノートの罫線は全て絡まりほつれ、白いページは空想がぜんぶ食べた

 

知っている、頑張らなくちゃいけないってこと、カラープリントを顔にくっつけた生活に戻らなければいけないこと、ちゃんと知っている、隣の家主が飼い犬に怒鳴っている声が聞こえる、自分が凄く怒られているような気分になって惨めだ、感情と建前と体が仲良くしてくれない、他人に干渉する余裕がない、そんな感じの日が続いていてうまくいかない、弱い弱い自分が大きくなっていく、物事が悪い方向へ流れていくのを昼間から家のベランダに腰掛け横目で見ていた、

 嫌なものを嫌と言えなくなったのはいつからだっけ、平気で嘘をつくようになったのはいつからだっけ、空き地に積もった雪の上に1人寝転んだ時、空の青や肺に沁みる空気に感情の収集がつかなくて泣くことがなくなったのはいつからだっけ、大人ににることを受け入れ始めたのはいつからだっけ、

 

 もう少し歳をとると綺麗なものが見えなくなってしまうらしい

 

 

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